アメリカのチャリテイーラン

先日、AHA(アメリカ心臓学会)の主催するWall street run & Heart Walk に参加してきました。このイベントは循環器疾患の研究に向けたファンドレイジング(資金集め)のためのものですが、アメリカではこのような特定の疾患の治癒のためのファンドレイジングのために歩いたり走ったりするイベントがよく行われています。例えば乳がん、腎不全、AIDS、最近では友達がcystic fibrosis(嚢胞性線維症)のために歩いていました。

このWall street runはウオール街の間を駆け抜け、日暮れ時のハドソン川沿いを計3マイル(約4.8Km)走る(もしくは歩く)もので、なかなか眺めのよいコースです。参加者はニューヨークの病院関係者、企業で働く人達、循環器疾患の患者さんや家族、と様々です。参加費に加えて、参加する人達がチームで競い合って積極的に寄付をつのり、参加する企業も寄付する、という形でファンドレイジングが行われ、今年はこのイベントで238万ドル集まったようです。

この「3マイル走るからお金を寄付してください」という感覚、私には最初全く理解できませんでした。走りたい人が走っているのに、なぜ私が寄付をしなくてはならないのか、どうもしっくりと来なかったのです。そんな私も、数年前にLeukemia and Lymphoma societyのMom-in-trainingというグループでファンドレイジングのための10キロランに参加して、少しその感覚がわかって来ました。

この時は友達に誘われ、妊娠出産で運動不足だった事と、アメリカの寄付文化を理解してみたいという興味から参加する事にしたのですが、非常によくできたシステムで感心しました。Mom-in-trainingと言う事で母親を対象にしたチームなのですが、チーム登録をすると、セントラルパークで行われる10キロ ランに向けた毎週土曜日のチームトレーニングに参加する事ができますが、最低500ドルの寄付集めを求められます。

Leukemia and Lymphoma societyはこのTeam-in-trainingという活動を長らく行っていて、ノウハウがしっかりしているのでしょう。このトレーニングと寄付集めが楽しくできるようにいろいろと工夫してあるのです。毎週白血病やリンパ腫の闘病歴がある人が来て、5分ほどの話をして、寄付のやる気をあげてから、トレーナーによるトレーニングが行われます。メンバーは仕事をしているお母さんが多く、リーダーからは寄付集めのこつを教えてもらったり、様々な子供のイベントや、割引チケット、オークションがあったりで、友達ができ、運動ができ、白血病やリンパ腫で苦しんでいる人々を救うための資金集めにも貢献できるというやりがいのあるイベントとなるのです。

寄付を友達や同僚に募ってみて気づいたのは、”That’s a great cause”(素晴らしい動機だね)と言って気軽に寄付してくれる人がなんと多い事か。やはりアメリカには寄付の文化が根付いているようです。この時寄付してもらった経験から、私も友達がこのような活動をしていると寄付するようにしています。

さて、このWall Street Runですが、フェロー達と走ったのですが、2人のフェローには少しの差で負けてしまいました。10歳近く若いフェローに負けるのは仕方ないのかもしれませんが、悔しい思いをしました。来年は雪辱レースです!

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2 Responses to アメリカのチャリテイーラン

  1. E.H says:

    こんにちは。
    以前先生のご指導のもとで研修をしたことがあり、その時にこのブログのことを伺っておりましたので、先生の御活躍はブログで時々拝見させて頂いておりました。先生の何年たっても変わらないパワフルさにはいつも圧倒されています。
    先生は今も変わらず、私の中で最も尊敬する女性医師です!
    AHAなどの学会でいつかお会いできればと思っております。
    では、先生の御活躍を日本から応援しております。

  2. Dr.Yumi says:

    コメントありがとうございます。私なんてまだまだですが、エネルギーを自分の好きな事に向けれるのは、周りに恵まれているからだと思います。恵まれた状況ならさらに頑張って行きたいものです。
    ところで、Hちゃんでしょうか?また会える日を楽しみにしています!

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