研修医のメンタルヘルス

先日、研修プログラムのプログラムデイレクター会議に出席したところ、その日のテーマは、「レジデント(研修医)のメンタルヘルス」でした。神経内科のレジデントが現在レジデントのメンタルヘルスの改善のために行っている試みを紹介、その後レジデントのカウンセラーをしている精神科医による講義がありました。

最初は、あまり興味なく聞いていたのですが、その講義でインターン(レジデント1年目)のバーンアウト(燃え尽き)率は1ヶ月目で5%、それが終了時には50%まであがる事、70%のインターンはある時点でバーンアウトを感じた事がある事、などのデータを聞いて少し考えさせられました。ニューヨークでは去年の夏にインターンが2人自殺した事もあって、どこのプログラムも真剣に対策を考えているようです。

そう言えば、その事件を受けて、NY Timesにあるレジデントが書いた記事が載っていたのを思い出しました。その記事ではいかに医師が責任の大きい仕事であり、常に冷静に何にでも対処できる事を求められるか。医学部、レジデンシーと競争社会の中、医学部を卒業してインターンになったとたんにその重責を追わされ、実際は経験もなくわからないまま、さらに競争が続く事などが指摘されていました。最後に重圧に耐えられなくなった筆者が、同期の最も優秀なインターンに、「私はここにいる資格はないのではないかと毎日思っている」と思いを打ち明けたところ、そのインターンが笑って「僕も毎日そう思っている」と答えたというエピソードでしめられていました。

確かに医師の仕事は命に関わるだけになかなか重い時があります。膨大な知識量と経験に基づいた判断は、医学部を出ただけで身に付くわけではなく、毎日学びながらの失敗のできない仕事はプレッシャーがかかります。また、やはり最も下っ端であるインターンにはたくさんの雑用やペーパーワークが仕事の一部となっており、スタッフの信頼を得て、仕事のやりがいを感じるまでには時間がかかります。客観的に考えると、バーンアウトするのも当たり前かもしれません。

さて、会議からカテ室に戻ってフェロー達の肩を叩き、「どう、ハッピー?」と聞いてみましたが、うちのフェロー達は問題ないようです。もともと循環器に来る人はある程度競争を生き抜いて来た人が多く、またフェローとなると周りにも頼りにされ、できる事も多くなり、やりがいも大きくなってくるので、インターンのようなストレスはないだろう、との結論となりました。

私たちアテンデイングが、レジデントやフェローが自信を持って働く事ができるようなバックアップをしてこそ、レジデントが成長していく環境を作れるのでしょう。簡単ではありませんが、がんばりたいと思います。

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