Monthly Archives: December 2008

今年の循環器臨床試験トップ10

今年も終わりに近づいてきました。ACCの公式サイトであるCardiosourceに今年のトライアルトップ10があげられています。 1. ACCOMPLISH (NEJM): 11506人の高リスク高血圧患者の初期治療をBenazepril+amlodipine合剤とBenazepril+HCTZ合剤にランドム化したところ、ACE + CCBの群では平均39か月のフォローアップで心血管系合併症が20%減少、ハードエンドポイント(死亡、脳梗塞、心筋梗塞)も20%減少。 2. I-PRESERVE (NEJM): 4128人のEFの正常な拡張障害による心不全の患者をirbesartanとプラセボにランドム化したところ、irbesartanの効果は見られず。拡張障害に対しては、なかなか効果的な治療が出てきません。 3. TIMACS (AHA): 3031人のACSに対して心臓カテーテルを行うタイミングを24時間以内と36時間以降にランドム化。24時間以内の群ではプライマリーエンドポイントは同等で、虚血は減少。NSTEMI後にクーリングする必要はないようです。 4. JUPITER (NEJM): 17802人の健康でLDLも目標値以下の患者でCRPが上昇している患者をrosuvastatinとプラセボにランドム化。死亡、脳梗塞、心筋梗塞が47%減少。これはAHAの話題のトライアルでした。このデータを用いるとスクリーニングにCRPを用い、健康な人にもスタチンを始める事になります。

Posted in Cardiology | 2 Comments

Happy Holiday!

今日はクリスマスの祝日です。私は毎年クリスマスはMr.Bの家族と過ごしますが、今年はオンコールなため家で待機しています。アメリカのクリスマスは日本の正月のように、多くの店やレストランはお休み、家族で集まってプレゼントを交換して食事をする日で、テレビでは朝からクリスマスの特別番組が放映されています。クリスマス前はプレゼントを準備したり、飾り付けをしたりとにぎやかな街ですが、クリスマス当日のマンハッタンはとても静かです。 クリスマスはキリスト教の祝日なため、実はクリスマスを祝わない人も多く、カードなどはHappy Holiday!としておくのが無難だと言われます。NYに多いユダヤ教では、12月にハヌカという祝日があり、今年はちょうど同じ時期に重なっています。8日間にわたってろうそくを灯し、ハヌカの食事をするそうですが、アメリカのユダヤ人はこの8日間、毎日子供に小さなプレゼントをするそうです。ユダヤ教の病院である私の病院では病棟には8本のろうそくをかたどったライトがおいてあり、ところどころにクリスマスツリーも見られます。今年のエンパイヤステートビルの照明は1面はクリスマス(赤と緑)、そしてもう1面はハヌカ(青と白)となかなかしゃれています。

Posted in Journal | 3 Comments

蘇生後の低体温療法

先日のNew York Timesに、来月からはNY市の救急車は心停止後(蘇生後)の患者を低体温療法がある病院にしか連れて行かない事になる、との記事がありました。低体温療法は、蘇生後の大きな問題である低酸素による脳障害を改善する事ができると考えられていますが、NYではコロンビア大学をはじめ、比較的盛んに行われているようです。私の病院でも、蘇生後の患者がいると、ICUのドクター達が積極的に冷やしにやってきます。 今年の初めにICUのドクターによる低体温療法の講義があったのですが、私の病院での適応は、1)心停止(不整脈の種類は問わない)後に蘇生、2)意識障害がある、3)心停止は目撃者がいるか推定5分以内、4)心臓マッサージは45分以内、5)心停止は心原性か呼吸障害による、となっており、いくつかの除外項目がなければ、これらの患者には32-34℃を目標にできるだけ早く冷やし始める事になっています。冷やす方法は施設によって異なるのですが、私の病院では、冷やした静脈点滴、胃管を用いた冷却、氷バッグ、そして扇風機を用いた低コストな方法で、大きな機械と同様の効果をあげているようです。

Posted in Cardiology | 9 Comments

心臓核医学の試験終了

昨日心臓核医学の認定医試験を受けてきて、去年から続いていた4つの認定医&専門医試験がやっと終わりました。アメリカの専門医は内科はABIM (American Board of Internal Medciine)がまとめて管理していますが、心臓核医学の認定はCBNC(certification board of nuclear cardiology)という機関が行っています。インターベンション専門の私にはこの認定は必ずしも必要ではないのですが、循環器の非侵襲検査の基本のエコーと心筋シンチはできるようにしておく事にしました。 心臓核医学は主に心筋負荷シンチの事で、冠動脈疾患の診断と治療のために用いられる検査です。アメリカでは開業医も含めた多くの循環器内科医が心筋シンチの検査と読影を行っています。実際、心筋シンチの読影は大きな収入源ともなり、心臓カテーテルの検査をするよりも、心筋シンチの読影をする方が医師に支払われるお金は高くなっているそうです。

Posted in Cardiology | Leave a comment