Monthly Archives: June 2007

スワン・ガンツの有用性

先日、冠動脈バイパス術後に心不全になった患者さんで、挿入されていた肺動脈(Swan-Ganz)カテーテルの合併症があった症例の合同カンファレンスが行われました。侵襲的な血行動態をモニターするために1970年代から用いられてきたSwan-Ganzカテーテルですが、最近のエビデンスでは分野によってはその有用性が疑問視されてきています。私の病院では、ICUでのSwan-Ganzカテの使用は5-6年前からほぼゼロです。 1996年のJAMA(Journal of American Medical Association)で、5735人のICU入院の重症患者に対して最初の24時間にSwan-Ganzカテーテルを用いた患者群と用いなかった患者群を比較し、統計的にリスクを是正したところ、使用した群の方が死亡率が高いとの論文が発表になりました。ランドム化はされておらず、統計的なリスクの是正に頼っている事、カテーテルの合併症の関与、S-Gカテのデータの用い方が統一されていない事など、批判点が多いながらも、注目された論文でした。

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数学の苦手なアメリカ人?

心エコーはとても情報量の多い検査ですが、その中でも血行動態を評価できる事は大きな魅力の1つです。心エコーの原理や、弁面積の計算など、いろいろな公式が出てきます。心エコー試験対策として同僚フェロー達と一緒に勉強していて、興味深い日米の一般教育の違いに気づきました。以前からやや気になってはいたのですが、アメリカ人は基本的な計算が苦手な人が多い気がします。 計算機を使っての高校初期レベルの計算が、みんなどうもしっくりこないようです。M(10の6乗)やm(10のマイナス3乗)などが出てくると単位がめちゃくちゃになってきます。ドップラーの公式でcos(コサイン)が出てくるのですが、cos30°がいくつか、何度も話題になりました。cos30°は√3/2と言うと、アメリカではそういう習い方はしていないようで、インターネットで調べ始めます。3角形を用いて説明すると、今度はピタゴラスの定理を説明するはめになりました。日本の受験勉強も時には役に立つものです。

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心エコー認定試験、終了!

この週末はシアトルに心エコーの認定試験を受けに行ってきました。心エコーの認定試験は毎年心エコー学会(ASE)の開催される会場で行われます。初めて訪れたシアトルはNYからは飛行機で5時間、時差が3時間、日本ではイチローで有名ですが、スターバックスの発祥の地でもあります。試験終了後、同僚たちと散歩したダウンタウンは多くの店でにぎわっていて、なかなかよい雰囲気でした。 合格率6割と言われる心エコーの試験、確かに難しかったです。ビデオの試験が12症例50問と筆記試験(マークシート)が3時間150問なのですが、ビデオ症例は次々と進んで行くので、時間に押された感が強く残りました。予想していたよりも弁疾患の計算や複雑な先天性疾患は少なく、いまだにM-modeや肺静脈のドップラーがたくさん出ていました。Strainやcontrastの問題もちらほら。みなが口々に難しかった、と言っていたこの試験、無事受かっているとよいのですが。

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フェローシップ卒業パーテイ

心エコーの試験に向けて勉強にいそしむ中、今日は私たち3年目フェローの卒業パーテイが、ミッドタウンのイタリア料理のレストランで行われました。このパーテイは謝恩会の要素もあり、お世話になったアテンデイングへのスピーチ、今年のベストアテンデイング賞の発表、アテンデイングへのちょっとしたプレゼント、なども行われます。テスト前でいまいち気の向いていない同僚達を仕切るのは少し大変でしたが、当日になってみると、みんななかなか盛り上がっていました。 楽しい性格のメイヤーが司会をする中、マイクが部長へのスピーチ、私がフェローの父のような存在のDr.シュバイツアーへのスピーチを担当しました。私にとっては、医学関係以外の英語のスピーチは初めてです。数日前から準備しましたが、とりあえず、無事に終えてホッとしました。英語の方がちょっと照れくさい事は表現しやすい気がします。その他、ベストアテンデイング賞の発表や、2年目フェローからの贈る言葉、などもあり、とても楽しいパーテイとなりました。

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食文化の日米比較

国際結婚が大変だなあと感じる事、特にMr.Bを日本に連れて帰って少し残念に思うのは、彼との食文化の違いです。Mr.Bにはシーフードを始め、食べないものがたくさんあります。日本の友達がせっかくだから和食を、と気を使ってくれると余計だめなので、申し訳ないものです。外国人だから刺身がだめなのか、とよく聞かれますが、生だからダメというわけではないのです。本人も食べないと失礼だとは思っているらしく、日本ではややストレスを感じているようです。 健康志向ではあるので、いわゆるアメリカ人のように肉やファーストフードを食べるわけではなく、朝はオートミール、肉はできるだけチキン、毎日サラダとフルーツを、という感じで、さらにとても少食です。ただ、嗜好を見ていると、単純な味がほとんどで、日本の繊細な味付けや、ちょっと変わった料理の味付けだとなかなか気に入りません。アメリカ人は大味で育ってきているので、味覚が育たないのかもしれません。日本のようないろいろな食材を少しずつ、という感覚もなく、同じものを食べていてもあきないようで、食べる野菜やフルーツも数種類に限定されています。

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ワシントンでの勉強会にて

この週末はワシントンで行われた勉強会へ参加してきました。この勉強会はこの7月からinterventional cardiology(循環器インターベンション)を始めるフェロー対象のもので、Abbott vascularという会社がスポンサーとなっていますが、10名ほどの経験豊かなドクターを招いています。全米から70名以上のフェローが集まり、私も同僚のマイクと一緒に参加しました。 インターベンションの基本概念のレクチャーでしたが、実際の症例を用いたものが多く、それなりに勉強になりました。それ以上に、私にとって大きかったのはインターベンションの楽しさを再確認できて、モチベーションがあがった事です。ここ最近、心エコーのBoardの勉強や、病院でチーフフェローとしてのカテ室の雑務に追われていて、純粋に心カテが楽しい、、というのを忘れていた気がします。

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日本への帰省

休暇に日本へ帰国していたため、その後の時差ボケもあって久々の更新となってしまいました。6月は私の一般循環器フェローシップも最後の月です。今月は7月から始まるインターベンションのフェローシップの準備期間となりそうです。 友達の結婚式に合わせてとった休暇ですが、今回の日本旅行も盛りだくさんでした。東京と名古屋をメインに京都にも日帰り旅行で行ってきました。日本帰省での楽しみの1つは友達に会う事ですが、結局毎日でかけていました。付き合ってくださったみなさま、ありがとうございました。

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