Category Archives: Cardiology

日々のカルテ書き

ここ数週間はまたCCU(循環器集中治療室)の担当です。その上、ここのところ緊急症例なども多く忙しく、毎日夜中に帰宅しています。アメリカではオンとオフがはっきりしていて定時で帰る事ができる、とよく言われますが、私のような病院勤務のinterventional cardiologist(心臓カテーテル専門医)はそうでもなく、重症の患者さんや緊急カテが入ると、検査や治療が無事終わり、患者さんが落ち着くまで病院にいる事は日常茶飯事です。さらに、私だけでなく、多くの医師の帰宅を数時間遅くしている仕事があるのですが、それはカルテ書きです。 患者診療の記録であり、他のスタッフとの意思疎通に用いられるカルテですが、医師が患者を診察した時のプロフェッショナルフィーを請求する際にも重要になります。アメリカの保険制度では、診療費には、病院などの施設に対する費用と医師に払われる費用(プロフェッショナルフィー)があります。このプロフェッショナルフィーは手技や手術、検査の読影に加えて、患者の診察に対しても払われます。医師が病院でも外来でも患者を診察した場合には、カルテを書いて、診療報酬を請求する事ができるのです。

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インターベンション専門女性医師の会

今年もワシントンのインターベンション学会CRTに参加しました。この学会は小さめの学会ながら海外からの参加も多く、内容はかなり充実しており、ニューヨークからは近い事もあって私は毎年参加しています。今年はWomen in interventional cardiologyのイベントがあったのでそこに参加する事が目的でした。 アメリカでは日本に比べると女性の循環器インターベンション専門医も多いのですが、多いとは言ってもやはり少数派、現在インターベンション専門医のうち女性は4%ほどだそうです。この集まりのリーダーはDr.GrineやDr.Mehran達、大きなトライアルにも積極的に関わって第一線で活躍する女性医師ですが、彼女達がインターベンションを志したころに比べたら女性もずいぶん増えてきています。この集まりには 40人以上の女性医師が参加していました。

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CCUローテーション

気づけばもう10月、今週からニューヨークは少し寒くなって来ました。アメリカの病院では7月から新しい年が始まるので、夏の間の病院は少し落ち着いているものの、研修医の入れ替わりで活気があります。循環器科でも今年も6人の循環器フェローと3人の循環器インターベンションフェローがフェローシップを開始しました。3ヶ月が経ち 、1年目フェロー達もそろそろ慣れて来たところで、先週から当直のバックアップもなくなりました。 私はここ4週間はCCU(循環器集中治療室)の担当でした。病院のフルタイムアテンデイングは通常業務に加えて、交代でコンサルトやCCUなどを担当してレジデント達と働きます。CCUチームはインターン4人、レジデント2人のレジデントチームとフェロー1人、アテンデイング1人で構成され、重症の心疾患の患者の管理をします。心筋梗塞、重症心不全、不安定な不整脈などが主な病態となりますが、病棟と比べて急性期の患者さんを毎日診るのでレジデントにとってはとても勉強になるローテーションです。

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アメリカのチャリテイーラン

先日、AHA(アメリカ心臓学会)の主催するWall street run & Heart Walk に参加してきました。このイベントは循環器疾患の研究に向けたファンドレイジング(資金集め)のためのものですが、アメリカではこのような特定の疾患の治癒のためのファンドレイジングのために歩いたり走ったりするイベントがよく行われています。例えば乳がん、腎不全、AIDS、最近では友達がcystic fibrosis(嚢胞性線維症)のために歩いていました。 このWall street runはウオール街の間を駆け抜け、日暮れ時のハドソン川沿いを計3マイル(約4.8Km)走る(もしくは歩く)もので、なかなか眺めのよいコースです。参加者はニューヨークの病院関係者、企業で働く人達、循環器疾患の患者さんや家族、と様々です。参加費に加えて、参加する人達がチームで競い合って積極的に寄付をつのり、参加する企業も寄付する、という形でファンドレイジングが行われ、今年はこのイベントで238万ドル集まったようです。

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最近の除細動器

先日、フェローシップの時にお世話になっていたDr.シュバイツアーとご飯を食べにでかけました。その際、昔のカテーテル検査の話などになったのですが、本当、昔に比べて循環器の手技は安全、そして簡単になったなあ、と思います。テクノロジーの進歩はすごいものです。 1960年以前は除細動器さえなかったので、カテーテル検査中に心室細動になると開胸になる事もあった、などという話も出たのですが、最近は除細動器も進化してきています。私がフェローだったころは、埋め込み式の除細動器(ICD)の件数が飛躍的に増えていたころだったのですが、それも落ち着いてきました。最近では除細動器も多様になってきていて、着用型の除細動器であるライフベストや皮下埋め込み除細動器が毎日の診療の中でも使われるようになってきています。

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インターベンションのフェローシップ

ある金曜日の夜、循環器フェローのナビードから電話にメッセージが入りました。「インターベンションに進む事に決めました!」。2度目の心臓カテーテル室のローテーションの最終日、彼は進路を決めたようです。アメリカでは循環器の中でもさらに専門化しているので、循環器フェローシップ(専門研修)を終えた後で、さらなるフェローシップに進む人も少なくありません。フェローの教育に関わっている身としては、フェローが自分の専門であるインターベンションを選択してくれるのはやはりうれしいものです。 循環器フェローシップのさらなる専門フェローシップには、インターベンション、不整脈(EPS)、心不全、イメージングなどがあります。私の専門であるインターベンションは最近また人気があがってきているようです。私がフェローの頃に不整脈が人気になってきているという記事を書いた事を覚えているのですが、最近では不整脈専門医のポジションを獲得するのがかなり難しく、少し下火になっています。私の病院ではここ数年は、フェローの半数以上がインターベンション志望です。

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Go red for women

先日、毎年この時期に行われるAHA(アメリカ心臓学会)主催のNew York City Go Red For Women Luncheonに参加してきました。最近はアメリカでもすっかり定着してきたAHAのGo Red For Womenは、女性にも心臓病を知ってもらう事を目的とした全国的なキャンペーンで、このランチョンはその資金集めの活動の一環として行われています。 男性の病気であると考えられがちな心臓病ですが、統計を見ると、アメリカの女性の死因の三分の一は心臓病です。女性はホルモンの影響で冠動脈疾患の発症率があがるのは男性よりも10年ほど遅れますが、女性の症状は典型的でない事が多く、また女性は医療機関にかかるのが遅く、合併症も多いと言われています。

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心筋梗塞と心停止

先日、緊急カテのオンコールだったのですが、患者さんが急性心筋梗塞と心停止でやってきました。救急隊によって心拍は再開していたので、とりあえず緊急カテを行ったところ、閉塞していたのは小さな右冠動脈で、心機能自体はほぼ正常、ステント治療を無事終えて低体温療法となりました。ただ、心停止後に救急車が来るまで心臓マッサージがされていないので、脳の機能が回復するかは微妙なところです。心臓を救っても、心停止による脳障害があっては患者さんは救えません。 私は仕事柄、心筋梗塞による心停止の患者さんはたくさん診て来ているのですが、助かるかどうかは心停止をする場所がポイントで、人生「運」だなあ、と思う事がよくあります。心筋梗塞の時の心停止は、V.fib(心室細動)によるものが多いのですが、心室細動は電気的除細動によって取り除く事ができるので、いかに早く除細動を行うかが患者さんを救うためには最も重要です。そのため、病院内で心停止した場合は、除細動1回で何もなかったかのように戻る事もありますが、誰もいないところで心停止した場合は、そのまま亡くなる事がほとんどです。人通りの多い道とアパートでは救急車が到着するまでの時間も違って来ますし、選べるものではないのですが、運命の分かれ道です。

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ボストンでVascular Imagingの講習会

時間が経つのは早いものでもう1ヶ月前の事になりますが、ボストンのブリガム病院にVascular imagingの講習を受けに行ってきました。この講習は主に頸動脈、末梢動脈、末梢静脈の超音波検査を勉強するもので、月曜日から金曜日の朝から晩まで少人数のグループで行われます。最近は、末梢動脈疾患、頸動脈疾患などにも循環器内科医が診断からカテーテル治療まで関わるようになってきており、たとえばフェローが開業グループに就職の際などに、この検査をできる事が求められる事が増えてきています。 最近ではRPVI(registered physician in vascular interpretation)という認定試験も一般的になってきていて、このような講習に来るのは学ぶ事と共に、認定試験受験資格を得る目的もあります。この講習の先生はブリガム病院のドクターで、この分野では第1人者、認定試験にも関わっている人です。人気のこの講習は数カ月先まで予約が埋まっていて、私は実は妊娠初期の心臓カテーテルの検査に入っていなかった時に、せっかくの機会だから何か新しい事を学ぼうとこの講習を受ける事にしたのに、結局実際に予約が取れたのはその数カ月後でした。

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女性インターベンショナリストと放射線被曝

今週末は夏の終わりを感じさせるLabor dayの3連休、私は金土日とオンコールです。連休週末はNYの街は静かで、今のところ緊急もなくオンコールを終了しそうです。ところで、先日、お隣の病院であるNYUの女性interventionalistと一緒にご飯を食べに行ってきました。同じ若手女性interventionalist同士、いろいろと話したいと連絡をもらったのがきっかけでしたが、近所のイタリアンレストランで楽しいひと時を過ごしました。 女性医師の数が日本よりははるかに多いアメリカでも、女性interventional cardiologistの数は少なく、私がインターベンションフェローだった時のカンファレンスでも100人のフェローがいると2-3人という感じでした。アメリカでInterventional Cardiologyの専門医で女性は6%だそうです。とは言えあちこちに点在はしているもので、9月には今年が3度目のAnnual Women in Interventional Cardiology Programがシカゴで行われます。アメリカのカテ学会SCAIにはWINという女性interventionalistの集まりがありますが、日本でもJ-WINCという女性インターベンショナリストを中心とした集まりがあり、私もメーリングリストに参加させていただいています。

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