Category Archives: Topics In Medicine

National Women’s Physicians Dayによせて

2月3日はアメリカのSNSでは National Women’s Physician’s Day(女性医師の日)でした。最近では、何かと「**の日」が増えてきているような気がしますが、今年はGoogleにも取り上げられ、少し広まってきているようです。この日はアメリカで最初の女性医師であるDr. Elizabeth Blackwellの誕生日だそうです。Dr. Elizabeth Blackwellは1849年に医学部を卒業後、ここニューヨークのロウアーイーストで開業していたそうです。うちには夫が娘たちに買ってきた彼女のこんな本が置いてあります。 さて、フェイスブックでこの日にちなんだいろいろなコメントの中、ある写真が私の目を引きました。1885年に撮影され大学の新聞に載ったこの写真は、アメリカで最初の女子医大であるWoman’s Medical College of Pennsylvaniaに留学していた3人の女性を紹介しています。インド、シリアからの留学生と並んで写っているのはなんと日本人ではありませんか。

Posted in Topics In Medicine | Leave a comment

アメリカの保険制度あれこれ(2)

出産予定の病院からかかる費用のお知らせの手紙が来ました。「あなたは11月に出産予定となっていますが、その際かかる予定の費用は**ドル、あなたの保険だと10%負担なので**ドルの支払いとなります。」という事で約500ドルほどの自己負担、思ったより安いなあ、と思いながら読んで行くと、「ただし、ドクターフィー(麻酔科、小児科を含む)は別に請求されます」とありました。 アメリカの病院に入院すると、病院へ支払う治療費と共に、担当のドクターと専門家にコンサルトした場合は専門家への診察料がかかります。出産の場合は、産婦人科ドクター、小児科ドクター、そして硬膜外麻酔を用いる場合は麻酔科ドクターからの専門家料が加算されます。これらがどれだけ保険から支払われるかはその保険によって異なり、その保険を取らないドクターに診てもらってしまうと、全額患者に請求が行く事になります。

Posted in Topics In Medicine | Leave a comment

妊娠中の食事制限

妊娠するまでは考えた事がなかったのですが、妊娠中には控えめにしておいた方がよいと言われる食べ物、飲み物が意外とあります。アルコールはその代表だと思いますが、その他にもいろいろとあってなかなか大変です。 毎日コーヒーで朝を始める私にとって最初どうしても慣れなかったのは、コーヒーが飲めない事でした。カフェインが実際に胎児にどれくらいの影響があるのかに関してはまだ議論の余地があるところのようですが、高容量(データによると1日300mg以上)のカフェインの摂取は流産の原因になるようです。現在のところ、適度な摂取ならば問題ないと考えられていて、1日100 -150mg以下にするようにとの意見をよく見かけます。

Posted in Topics In Medicine | Leave a comment

アメリカの保険制度あれこれ(1)

先日心筋梗塞で緊急カテを行った若い患者さん、退院後の外来診療計画の話をしていて、そう言えば保険は何だろうと思って聞いてみるとMagnaCare、それは私の登録していない保険でした。レジデントやフェローの時はあまり考えなかった民間保険制度ですが、アテンデイングとして1年間働いてみて、ようやく少し理解できるようになってきました。 アメリカでは国によるMedicare(65歳以上の保険)とMedicaid(生活貧困者の保険)以外はプライベート(民間)保険となりますが、その数は限りなくあります。これらの保険を使うためにはその保険に保険医として登録していないといけないので、私も去年アテンデイングとして始める時には、数多くの書類にサインして登録をしました。彼の入っていた保険は私はまだ登録していないものだったようで、同僚の外来で診てもらう事になりました。この患者さんが私の外来に来るとすべて自費となります。

Posted in Topics In Medicine | Leave a comment

染色体異常の出生前診断

胎児の染色体異常で最も多いのはダウン症(トリソミー21)で発生率は1/800、この値は年齢と共に増加して35歳を超えると1/400となります。私が学生の時は”35歳以上の高齢出産では羊水穿刺による染色体検査を考慮する”と習ったのを覚えていますが、最近は欧米では年齢に関わらず積極的に染色体異常のスクリーニング検査が行われています(2007年アメリカ産婦人科学会ガイドライン)。 スクリーニングは血液検査とエコーからなります。1980年後半から染色体異常(トリソミー21、18、13)のある胎児を妊娠している母親の血液検査での血清マーカー(AFP、hCG、estriol、inhibinA)の異常が研究され、1990年半ばからはエコーによる胎児の頚部浮腫(nuchal translucency:NT)の値と染色体異常の関係が注目され、NT肥厚はダウン症に80%の感受性がある事が示されました。現在ではその後の大規模データをふまえて、これらの検査を組み合わせてのスクリーニング検査が一般的です。

Posted in Topics In Medicine | 2 Comments

J-1ビザからO-1ビザへ

私のインターベンションのフェローシップは6月で終了です。7年目となったトレーニングもついに終わりに近づいてきました。いろいろと考えた結果、フェローシップ終了後は今の病院でスタッフとして残る事になりました。とは言っても、J-1ビザでアメリカに滞在している私がスタッフとして働くには、ビザをどうするか考えなくていけません。 J-1ビザは研究者・医師などに与えられるビザで、レジデンシーやフェローシップのために滞在する人が用いる事の多いビザですが、このビザには悪名高き”2-year rule”という条件がついています。J-1ビザではトレーニングプログラムのみが対象になり、スタッフとしては働けないのですが、J-1ビザの滞在者がビザの種類を替える(労働ビザやグリーンカード)ためには、2年間自分の国に帰って働く事が条件となります。この2-year ruleは帰国をしたくない人にとっては大きな悩みの種であり、アメリカ国民と結婚しても除外されない事になっています。

Posted in Topics In Medicine | 2 Comments

アメリカで医者にかかる

先日、Mr.Bがセルフデイフェンス(自己防御)の特別クラスを受講中に前十字靭帯を断裂し、現在オペ待ちなのですが、その時の話です。最近医療崩壊が進んでいると言われる日本でも、患者としては日本のがやはり楽だなあ、と再確認しました。 けがをした当日は、夜間にとりあえず私の病院のER(救急救命室)へ行きました。私の病院のERは25床で常に満床ですが、軽症のMr.BはナースのトリアージでFast trackへ。Fast trackでは、主にPhysician assistant(PA)と呼ばれる医師のアシスタントをする専門職が患者を診ます。レントゲン、診察の後、膝の固定用具と松葉杖をもらって帰宅し、週末は膝を冷やして過ごしました。このようなER受診は基本的には保険でカバーされますが、後々にもめないためには、翌日に保険会社に電話して報告と確認をする事が必要です。

Posted in Topics In Medicine | 2 Comments

ジェイコーがやってきます

もうすぐJCAHO(Joint Commission)が病院の監査にやってくるため、心カテ室も少しピリピリしています。JCAHO(なぜかジェイコーと発音します)とはアメリカのNPOの組織で、病院が医療の質を保つための基準を満たしているかを評価する機関です。JCAHOの認定を受けていないとメデイケア(国の保険)を使えなくなってしまうため、病院側も必死でJCAHO対策をします。以前3年毎だったJCAHOの審査は最近はもっと頻繁になったようです。 ジェイコーが来る、という事になると、病院は「カルテをきちんと書くこと」「サインをきちんとする事」「カテ前評価のページはもらさずチェックする事」「IDを常につける事」などと細かいところまで注意し始めます。基本的には患者の安全を守るためのものなので、ナースが関わる内容が多いように思います。アメリカでナースをしているtisaneさんがこの辺り具体的に書いているとても興味深い記事を見つけました。

Posted in Topics In Medicine | 6 Comments

ナースプラクテイショナー:スーパー看護士?

ことり先生のブログでアメリカのナースプラクテイショナー(NP)が話題になっていましたが、私も毎日NP達とも一緒に働いています。NPはregistered nurse(正看護士)の資格を持ち、その上で修士課程を終えており、医師の監督のもと、患者を診察し、診断し、処方を含めたオーダーをする事ができます。どこまで独立して働くのかは州によるので、独立開業も可能な州から、すべて医師の管理のもとで行う州までいろいろで、NYは比較的独立している方だそうです。 私の一緒に働くのは、interventional cardiology専門のNP達です。私が毎日のようにオフィスに出入りしているキャスリーンは10年以上もこの分野で働いています。私のボスの補佐役として、ボスの患者を診て、情報を集めて、一緒に回診してオーダーを出す、という仕事をしながら、カテ室のデータ管理も行っています。インターベンション後の患者を病棟で受け持っているのは5人のNPのチームです。彼らは、シースを抜いたり、入退院のオーダーを行ったりする毎日のルーチンには強く、問題ない患者はそのまままかせておけます。患者に胸痛があったり、不整脈があったりすると、私達フェローや担当のアテンデイングドクターに相談する事になります。彼らは、私のボスの監督のもとで独立してオーダーを出す事ができます。

Posted in Topics In Medicine | 4 Comments

インド旅行とマラリア対策

インドに旅行が決まり、ふと感染症対策を考えなくてはならない事に気づいたので、感染症専門の友達に相談しながら、CDCのホームページをみて少し勉強しました。CDCのホームページにはどの地域ではどんな予防が必要かが詳細に載っていてとても参考になります。アメリカには「トラベルメデイスン」外来などもあり、旅行前に健康管理についてドクターに相談しに行く事も多いのですが、日本ではまだまだこの概念は少ないと言われます。インド旅行の際、CDCが薦める予防接種は、ルーチンの予防接種に加えて、A型肝炎、チフス、そしてその旅行によってはB型肝炎、狂犬病、日本脳炎、ポリオとなっています。 予防接種の他にもう1つ気をつけないといけないものに、マラリアがあります。マラリアは蚊に刺される事でマラリア原虫に感染する事による熱疾患ですが、全世界で毎年3-4億人が感染し、100万人が死亡しています。4日熱マラリア、3日熱マラリア、卵型マラリア、熱帯マラリアの中でも、P.falciparumによる熱帯熱マラリアは重症化し、無治療では死にいたります。潜伏期間は2週間から1ヶ月です。アメリカからの旅行者でのここ10年間でのマラリアの発生は約8000人、半分以上がアフリカでの感染、致死的なものは80%以上がアフリカでの感染とのデータがあります。日本では毎年100-300人がマラリアに感染しているそうです。 (CDCより)

Posted in Topics In Medicine | Leave a comment